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Deutsches Institut für Japanstudien
トビアス・野上 カマリング

トビアス・野上 カマリング

トビアス・野上 カマリング
法学
2016年4月 〜
(奨学生, 2016年4月1日 - 2016年9月30日)

kamerling@dijtokyo.org

「日本の会社法におけるスクイーズ・アウト」

スクイーズ・アウトとは一般に、多数株主による現金を対価とする少数株主の締出しをいう。これには主に費用削減、企業経営の柔軟化、二段階買収における完全支配化、などの目的がある。 多くの現代的な法秩序は締出し専用の制度を有する。例えば、ドイツの立法者は平成14年1月1日よりドイツ株式法(Aktiengesetz)第327a〜327f条を規定した。日本の法律においては、国内外の経済界の要求の結果、平成26年に可決され、平成27年5月1日より施行された会社法改正により初めて直接的なスクイーズ・アウト請求権が導入された。改正前は、少数株主を締め出すために一部奇抜な転用による複雑な法手続が必要だった。

スクイーズ・アウトの性質により必然的に少数株主の株主利益との相反が生じる。すなわち、少数株主は会社構成員としての地位と共に会社における経営参加権を失ううえで、株式の経済的価値も奪われるからである。本研究はまず、新しい締出し制度を包括的に解説し、従来からの手段と比較することを目的とする。その過程で、少数株主の保護のための利益調整は存在し、どのように実現さられるのか、そして締出しに用いられる各手段はどのような相互関係にあるのかを検討する。最後に、新制度が今後の実務のみならず、日本の会社法の解釈論にどのような影響を与えるのかについて見通しを図りたい。