Sarah Pützer

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2023年5月 〜
サラ・ピュツァーは、オックスフォード大学大学院東洋学研究科博士課程に在籍している。研究分野は日本現代詩で、特に空間と詩の関係に関心がある。博士論文では、様々な空間論を用い、詩的な空間をどのように分析しうるかについて述べ、さらにそれらを日本の現代詩の分析に応用する方法について考察する。特に、前田愛、アンリ・ルフェーヴル、エドワード・ソジャの空間概念を組み合わせ、詩的な空間が「抵抗の空間」を形成する可能性を検討する。また、最果タヒ、文月悠光、水沢なお等の現代詩人の例を出発点として、「空間」と「詩」はどのように相互に影響するか、こうした影響は詩自体に対する見方をどのように変え得るかについて考察する。詩的な空間を読むためには、人々は歩いて体を動かさなければならず、詩の言葉とその動きや周りの風景が結びつきやすい環境が生まれる。したがって、認知詩学を基に、詩が空間で発表されるとき、それが人とどのような相互作用を生じうるか、という問いについて考察する。