アンナ・スカルペリス
社会学
(奨学生, 2013年4月1日 - 2013年6月30日)研究要旨: 比較福祉国家, 日本、 西ヨーロッパ, 社会史, 精神史, ソーシャルメディア, 科学技術研究
博士論文
ワーキングタイトル: 総力戦体制と「福祉国家」
本論文では、現代の日本型・ドイツ 型福祉国家の形成過程における「ファシズム・ナチズム」と第二次世界戦争の役割に関して社会学の立場からの分析研究を行う。福祉国家の発展と拡大には様々な要因が影響を及ぼす。労働階級の台 頭や階級を超えた連立(Baldwin 1990; Korpi 2003)、制度機構の決定(Pontusson 2005)、また、選挙システム(Estevez-Abe 2008)などがそういった要因である。歴史文献では国家の伸長や経済につい ては多く取り上げられ議論がなされているが、福祉国家への戦争の影響は手つかずの状態である。
本論文は、歴史・社会科学文献にある 全面戦争と独裁政権の台頭両方の経験が、日本における福祉国家機関への影響を与えた方法調べることによって日本の社会政策の形成 における戦争の肝要性に起因している意義を探って行く。