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Deutsches Institut für Japanstudien

ホルガ・ロックマン

社会学,歴史、心理学
2005年4月 〜
(奨学生, 2005年4月1日 - 2006年3月31日)

 博士論文の概要

現在社会の生活条件は常に変動している。ほぼ全ての産業国で人口統計学的にみて老齢化社会が進んでいる。これはドイツだけでなく日本においても同様である。
高齢層の人口が増加する一方で、同時に若齢層の人口が減少している。両国すなわちドイツと日本においてこのことは大きな社会問題を引き起こしている。
高齢層の増加でより多くの健康保険からの出費が必要とされるため、若齢層の負担による健康保険のコストが激増している。
この問題は、健康保険システムにおける要となる若齢層の人口が常に減少していることによってより深刻化している。
この問題には政治的な観点からの新しい長期的な解決策が必要である。
基本的に同様の問題が年金システムにおいても見られる。高齢層の適切な介護を保証するためにこの問題に関して現在にあった調整の必要性が迫られている。
その他の保険および補償システムも、人口統計学的にみた老齢化社会によって様々な問題が生じている。
特にドイツでは失業に対して過剰な程の補償が行われており、高齢化社会によるリスクがより大きくなる。
これらの諸問題において政治システムの修正が必要である。この修正は各国の社会規範と価値観念に応じて違ってくる。例を挙げれば、ドイツでは長年に渡り諸外国からの移民問題が論じられているが、日本ではこのテーマはほとんど話題に挙がらない。
日本では海外移民の永住的な受け入れに対して大きな窓口を開放していない。故に政治家が、この人口統計学的な問題を解決するために、移民の受け入れによる解決策を思いつくには至らない。将来的に保険および補償システムが良好に機能するためには別の解決策を見つける必要性がある。
この別の問題解決の糸口は我々ドイツ人の観点から非常に興味深いものがある。特に、同様の問題を諸外国において、価値観念の違いのある状況下でどのように取り扱うのかを知る事も非常に重要となる。
日本において同様の、もしくはより厳しい状況下での解決策、解決の糸口を知ることにより、ドイツにおいても人口統計学的な問題における視野を拡げることになるだろう。可能であるならば、これらの解決策をドイツの政治においても役立てることができるはずである。
日本ドイツ両国において社会政策が実際にうまく作用しているかを考察することで、社会政策の様々な領域における比較を補完することもできる。
この関連において、社会政策の作用範囲を規定する価値観念がどの程度重要であるかを考察したい。
客観的な状況を詳述するだけでなく、政治的な影響力の範疇におけるその意義およびもたらす影響を考察することが博士論文の主旨である。
 社会保障システムの将来を考えるにあたり、これらの観点からのディスカッションが必要となる。博士論文はこれに従事し、人口統計学的な高齢化社会に関連した社会福祉国家の改革を議論するにあたって、より充実したものにしてくれるはずである。