アルベルト・ジッザ

日本近代思想史
2025年3月
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ミュンヘン大学の博士課程に在籍し、近代日本思想史が専門としています。ローマ・ラ・サピエンツァ大学の修士課程終了後、芳賀矢一の著作『国民性十論』(1907)を中心に、明治時代の日本人アイデンティティの構築について研究しています。
この著作をクローズ・リーディングと言説分析の二つのアプローチで分析し、明治後期の幅広い知的潮流の中に位置づけています。さらに、この著作において議論されている性質を解明するとともに、芳賀が日本人の自己認識の形成過程にどのように貢献したかを明らかにすることを目指します。また、国内外で発生した思想が国民アイデンティティの形成に与えた複雑な相互作用を、この作品がどのように反映しているかを探求します。
DIJ滞在中は、資料調査を行うとともに、関連分野の日本人専門家との交流を図り、『国民性十論』および国民アイデンティティに関する議論の分析をさらに深めていく予定です。