Deutsches Institut für Japanstudien nav lang search
日本語EnglishDeutsch
Deutsches Institut für Japanstudien

Sieun Park

2019年3月 〜

park@dijtokyo.org

高齢化率の上昇は一国の問題に留まらず、世界各国で見られる現象である。その中でも一層深刻な上昇が見られているのは日本である。2018年には高齢化率が27.7%に達しており、2060年には38.1%を占めることが予測されている。年々深刻になっている高齢化問題は、人口問題や労働力減少だけではなく数多くの新たな社会問題を生み出しているため、政策意思決定者及びステークホルダーのより大きな関心と支援が必要とされている。独居老人数及び孤独死の増加、質の良い健康サービスへの要求とその支援方法、また高齢者の社会的排除が体表的な例である。だが、その中でも、最も深刻な問題は、「デジタル・ディバイド(Digital Divide)」である。インターネットの普及率が上がるにつれ、数多くの人々が必須不可欠な情報は勿論、生活に役立つ多くの情報をインターネットで手早く探し、選別した上で活用している。そのため、インターネットの活用が難しい人には必要な情報を探すためにより多くの時間と努力が必要となり、これが続くことによって結果的に彼らの社会参画が難しくなる。

現在日本政府が取り込んでいる様々な高齢化対策の中でも「情報通信」、特にインターネット・コミュニケーション・テクノロジー(ICT)は彼らが主力を挙げている政策である。ICTを適切に使い熟すことによって高齢者により良い質の医療サービスはもちろん、社会参画、労働機会並びに独立性が保たれる生活の機会を提供できると考えたためである。またこのような考えを踏まえ、2016年に総務省は「Society 5.0」計画を発表し、高齢者におけるICTの利活用のみならず、多様な産業と各層によるICTの利活用についてより積極的な政策を打ち出している。

このようにICT政策に主力を挙げているにも関わらず、多くの高齢者はインターネットよりもアナログを好む傾向が見られている。高齢者におけるインターネット利用比率が平均より極めて低い数値を示す他、利用者数そのものも大きな変化なく維持している。このような高齢者の傾向から、政府のシニアへのICT普及化とサービス環境構築により多くの努力が求められている。

このような状況を踏まえ、このプロジェクトでは「高齢者におけるデジタル・リテラシー」、そして「彼らの健康で独立性が保たれる生活を支えるICT政策」の二つをキーワードにしている。また、主な研究テーマとしては、現在に至るまでの情報通信政策や関連計画並びにステークホルダーの事業がいかに高齢者のICT利活用を支援、そして普及しているかの検証することである。最後に手法としては、政策分析・諸機関、高齢者とステークホルダーとのインタビュー・そしてケーススタディーを考えている。