企業間の国際提携における信頼関係, コントロール, 問題解決方法と利益
2002年9月年 - 2006年7月
企業間の国際提携は80 年代以降世界的により重要になってきた。この動向はとりわけ自己資本率が低く、情報や国際経験が不足している中小企業が国際的な企業提携によりこの弱点を補おうとするケースが増えてきたためである。しかし、多くの経験者の話によると、国際提携がたびたび失敗していることも明らかである。その原因は単に経営的なものではなく、協力関係における信頼と不信が関連していることも強調されている。企業間の国際提携で必要な信頼関係は換言すれば「信頼のディレンマ」であるともいえる。一方では、国際提携の場合、契約による合意事項の調整および履行には時間と経費がより多くかかる上に、成功するか否かも不確実であるため、企業間の信頼関係がより重要になってくる。他方、互いに相手国の慣習を知らない、異なった文化の担当者の間で信頼関係を築くことは簡単ではない。従って相手の行動から信用に値する手がかりを導き出すことは難しい。日独間の提携の場合もその例外ではない。
そこで、ドイツ-日本研究所はこの問題についてドイツと日本で行われたアンケート調査を中心にした研究プロジェクトに取り組んでいる。「日本で成功したければ、徹底的に日本人に照準を合わせなければいけない。それには幾つもの決定的な要因があることは確かである。なかでも、日本ではとりわけ個人的な関係が重要であり、また日本に輸出しようとする製品は高品質でなければならない」このように回答者の意見を要約すると、国際提携の成功には、いわば人材的な面と企業的な面があると言える。アンケートの結果によると、ドイツでも日本でも概ね互いに相手側の担当者並びに相手企業が信頼関係の促進に努力していることを評価している。
信頼関係を築くための努力は、回答協力会社においては、活発に行われている。人材面から見ると、商談の際には、ドイツ側の担当者も日本側の担当者もお互いに助け合い、常に連絡を取り合っている。照会と依頼の処理に要する時間については、意見が分かれた。ドイツ側は処理に時間がかかる傾向にあり、日本側はそれを相手会社がビジネスに関心がないものと取ってしまう。企業としては、双方とも高度の製品や仕事の質で、信頼関係を築こうとする努力がなされている。
信頼と管理は決して両立しないものではない。双方とも、能力や意欲を疑った個人的なものでない限り管理の必要性を認めている。ドイツ側の回答によると、信頼に基づく協力関係は業務のスムーズな展開に繋がる。日本の回答者にとっては、信頼関係により主に対応の際の不安が軽減され、確実な業務処理を可能にする。信頼おける提携を通じて双方とも、前払いをしたり、外国との取引で高いリスクを負うことが可能になる。
目下、多くの日本企業は改革を強いられている。古い考え方を変えて、新しい発想を取り入れなければならない。長期に渡る不景気に直面して、正に日本の中規模企業は外国企業との直接取引を試みている。日本企業は、海外の協力者と共同で市場に出せる革新的な科学技術を積極的に探している。我々の調査によると、この仕事を信頼おける日本の協力企業に任せることに問題はない。提携の際の必要な意見調整は一回限りのことではない。それはその後継続するの相手企業との共同事業にも影響を及ぼすものである。その結果、信頼関係を重視した企業間の国際提携が経営の負担を軽減し、成功に寄与するのである。
スタッフ
ハラルト・ドレス (〜 2006年7月)