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Deutsches Institut für Japanstudien

原発災害の/と表象:ポピュラーカルチャーや文学に見るフクシマ

 2012年4月年 - 2013年9月

東日本大震災という未曽有の大災害が生んだトラウマは、文学からマンガ、ドキュメンタリー映画、現代美術、演劇そしてパフォーマンスアートまで多様なメディアにおいて主題となってきた。本プロジェクトは、こうした「災害のポピュラーカルチャー」(popular culture of disaster)の中でも特に原発災害に関わる文学的・ポピュラーカルチャー的表象を研究対象にしている。

フクシマを扱うことはそれ自体政治的である。ではそれはどのように政治的なのであろうか。原発震災の中でどの側面がクローズアップされ、またそれがどのような効果を与えているのか。表現者の福島原発との地理的な距離、そして原発に対する考え方は、作品を発表していくうえでどのような意味を持っているのか。

現在本プロジェクトの中心になっているのは文学分析である。特に、一時的に福島への移住を考えていた「在日」作家柳美里と、3.11以降ツイッターで詩を発表したことによって世界的に有名になった和合亮一に焦点を当てている。一見、方法や表現の仕方などにおいてかなり異なる二人だが、フクシマに対するアプローチには驚くほどの共通点がある。喪失感と悲哀、過去の再生・未来の創造、そして「故郷」の構築をキーワードとしながら、これらの共通点を明らかにすることが本プロジェクトの狙い・目標である。


スタッフ

クリスティーナ  岩田 クリスティーナ  岩田 (until 2013年9月)
日本現代文学、メディア