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Deutsches Institut für Japanstudien
皮膚の想像力/The Faces of Skin

細部

2001, ISBN 4-906536-19-0 C3071, Yen 3000, The National Museum of Western Art, Tokyo, 148 pp.

著者

イルメラ・日地谷-キルシュネライト
佐藤直樹
Geissmar-Brandi, Christoph

皮膚の想像力/The Faces of Skin

皮膚の想像力/The Faces of Skin

この本は、1999年7月16日から18日国立西洋美術館の講堂で開催された国際シンポジウム「The Faces of Skin/皮膚の想像力」の報告書である。ドイツ-日本研究所との共催により実現したこのシンポジウムは、「皮膚」という概念を軸に東と西の研究者がそれぞれの分野で緊密なディスカッションを生み出すことが目的となったのである。


表面のマティエールが持つ物質性、描かれた表象としての皮膚のみならず、体内の病的な変異が投射される表層としての皮膚、他者との関係性に係わる仮面という皮膚、あるいは衣服という身体の上のもう一つの皮膚など、生物学的、医学的、文化人類学的、社会学的な様々な観点から、美術史研究に新しい視点をもたらす主題がこの本にまとめられている。

コンテンツ

Geissmar-Brandi, Christoph
The Faces of Skin/皮膚の想像力
pp. 29-31

谷川渥
芸術の皮膚論の地平
pp. 32-37

Benthien, Claudia
表面の深さ - 身体の境界の文化史
pp. 40-47

深井晃子
皮膚と被服 ファッション化する皮膚
pp. 48-55

池田忍
自らと「他者」とを分かつしるし - 日本絵画に表わされた肌の表現
pp. 58-63

Lehmann, Ann-Sophie
皮膚の色 - その絵画技術およびヨーロッパの近代絵画における生きた肉体の幻想
pp. 64-77

稲賀繁美
分割されざる「個人」幻想への挑戦:岩明 均『寄生獣』の皮膚感覚
pp. 78-85

Panhans-Bühler, Ursula
殻と脱ぎ捨てられた衣との間の皮膚
pp. 88-101

吉田憲司
仮面という装置 - 人はなぜ、もうひとつの界面をつくるのか
pp. 102-105

Kahane, Catharina
離れて見る十字架 - ブリューゲルの《十字架を担うキリスト》における感情と風景
pp. 108-116

喜多崎親
皮膚病変と聖性発現 - グリューネヴァルトのカッセルの磔刑図を見るユイスマンス
pp. 117-123

加藤哲弘
回顧と展望:シンポジウムへのコメント
pp. 132-135

Ledderose, Lothar
シンポジウムへのコメント
pp. 136-138

Wolf, Gerhard
もうひとつの皮膚 - 近代初期ヨーロッパ文化における図像とメディアの歴史人類学的パースペクティヴ
pp. 124-129

佐藤直樹
日本美術の皮膚論のため - 「わび」が現われる場所
pp. 139-143

イルメラ・日地谷-キルシュネライト
シンポジウムの開催によせて
pp. 26-28