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Deutsches Institut für Japanstudien

日本におけるデジタルトランスフォーメーションに関するディスコース:データ概念を用いる分析

 2020年1月年〜

 デジタルトランスフォーメーション(情報通信技術の急速な普及が伴う社会、政治、経済、文化の変化)はグローバルな発展をさしているが、その発展は世界中同一パターンをたどるわけではない。なぜなら、変化がどのように解釈され、特にどのように対応するべきかは、ディスコース的交渉プロセスの対象になるためである。技術は単に使用されるものではなく、使用する側と相互構築されるものである。日本では、政治、金融、ITセクターのステークホルダーが共同でデータ取引市場を創造するために国が認める「情報銀行」の制度を導入している。

 これまでの日本特有の仕組みがどのようにして誕生したのかを、この研究プロジェクトは概念史の方法で研究している。研究の問いは次のとおりである。ヨーロッパ言語に由来するdataの概念はどのような過程で受容されたか。今日主な日本語訳であるデータは、どのように自立する概念として発展してきたか。データという概念を用いて、どのような日本のデータ実践の特徴が表現されるか。

 データ概念の発展を把握するために、デジタル・ヒューマニティーズのテキストマイニングの手法が使用される。主なコーパスは、デジタル形式で提供されている1947年からの国会議事録で、関連のある発言を含んでいる。ディスコースの異なる部分を配慮し、トライアンギュレーションを可能にするため、新聞記事からなるもう一つのコーパスも分析している。日本のデータ取引市場がどのような判断によって情報銀行に基づくものになっていくかをより正確に理解できるようにするため、専門家へのインタビューも実施する。

 この研究プロジェクトの一つの目的は、概念史を国の技術政策の評価に適用することである。また、これまで日本からの事例研究がほとんど取り上げられていないクリティカル・データ・スタディーズにも貢献している。それに、データが知識生産の中心的な役割を果たしてきたのは「ビッグデータ」が話題になる以前からのことなので、特に継続性も示している。


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2021年6月10日
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Data and Values
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