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Deutsches Institut für Japanstudien

Research Overview

(Re)Locating Intimacy: Spatial Perspectives on Personal Relationships in Contemporary Japan:


English, PDF (1.6 MB)

「ソロ社会」の可能性と危険性 (リ)ロケーティング・インティマシー ― 現代日本社会における空間的な観点から捉える個々人の人間関係

〈要約〉

日本人が持つ個々人の人間関係は、全ての脱工業化社会と同様、根本的な変化を遂げつつある: 若者の多くが遅い婚期を迎え、中には一生結婚しない若者も増えている。年齢層を問わず益々多くの人々が一時的に、あるいは長い期間、一人暮らしを送っている。日本で行なわれた研究によると「生涯未婚時代」(Nagata 2017) や「超ソロ社会」(Arakawa 2017) の誕生が指摘されている。過去の数十年間、人々の結婚行動の変化は充分に研究されてきた。その一方で未婚者や離婚者、一人暮らしを送る人々を含む個々人の人間関係を主題とした研究は、今までほとんど注目されなかった。それどころか、彼らは一般的に「恋愛を面倒だと感じる若者」として捉えられ、親密な関係を築くことを避けていると思われてきた。一般社会においては「無縁社会」の誕生が議論されている。数少ないデータからこの傾向性が明らかになると同時に、最近のインタビュー研究からは個々人の持つ人間関係が多様化していることが判ってきた。ますます不確実な未来を考慮した上で、詳細な調査が必要であることが示されている。

以上のことから本研究では三つの目的を掲げることとする: ひとつは、どのような空間(スペース)が親密な関係を作るために存在し、利用可能とされているのか、あるいはどのような新しい空間(スペース)が造られるのかという点に注目する。個々人が置かれている立場からは様々なコンテクストとそれぞれの特徴が見出される - 職場においてのジェンダー分離、職業上求められるマルチ・ロカリティー、よりいっそう求められる個人のモビリティー性、実家に留まる若い成人者達、緊密な空間。次に、この分析を通し個人、未婚者、離婚経験者やひとり暮らしをする個々人の生活圏(様々な人間関係:友人関係や恋愛関係など)、(あるいは無縁性活)を詳しく、システマティックに把握することを追究するとともに、研究分野における「未婚者」と「既婚者」にまつわるダイコトミーの二分法を覆すことを試みる。最後に、この研究により、現在の激動の社会とそれに伴う社会政治的な背景を課題に、「親密な空間」がどのように「新たな生の基盤」(Muta 2009) として核家族としての場の役割を担い、また担っていかざるを得ないのかという点について考察する。このようにして親密性(インティマシー)と空間(スペース)の複雑な関連性や相互関係を見出し、現代日本社会における人々の帰属性、連帯性及び社会変動の課題について問う。

このテーマに関して調査することにおいて本研究では空間論及び、社会学を根本的な方針として扱う。家族社会学のプラクシス・オブ・インティマシー(practices of intimacy, Jamieson 2011)やドゥーイング・ファミリー( doing family, Jurczyk et al. 2014 )というコンセプトの他に、特に空間論のコンセプトを使用し、論じる。本研究は主にインタビューを研究の対象とするが、混合研究法を用いることにより、著者が作成した独自のアンケート調査、また既に行われた調査からのデータ(国際的)を引用し取り入れることにより、データの関連性を見極めると同時にシステム化を試みる。

スタッフ


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